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「こんばんはー!シャンパン持ってきましたー!」
「兄さん、まさかマリにミニスカサンタのコスプレさせてないだろうな」
彼がやって来た客人を迎え入れる音がした。
けれど、そんなことに構ってなどいられない。今年こそは、やらねばならないのだ。
「着て欲しくて用意はしたんだけどさ…」
「……兄さん、見損なった」
「マリさん、きっと似合うでしょうね」
「でもマリ、今忙しいからさ」
窓を開ければ、電流が走るようにセットした。
床にはネズミ取りを置いたから足も挟まるだろうし、ドアには…
がちゃっ ごんっ!!
「っ」
「サクさん、頭大丈夫ですか?」
「ああほら、迂闊に侵入しようとすると、怪我しちゃうよ」
「………マリは何をしているんだ」
対サンタ用の落下するたらいの効果をサクが証明してくれた。
出来の良さに満足して、もう一度仕掛け直しながら答える。
「サンタ捕獲ミッション」
毎年毎年、部屋へ不法侵入するサンタクロースを、捕まえて問いただす。
この崇高なミッションを、今年こそ完遂しなければならないのだ。
「マリ、準備終わったら出てきてね。夕飯にしよう」
返事の代わりに頷くと、わたしは最終調整へと入った。
「イバラさん、もしかして毎年サンタクロースやってるんですか?」
「毎年あの罠をかいくぐって?」
「うん。どんどんレベル上がってくから大変だよー」
「でも素敵ですね。サンタクロース、僕のところにも来ないかな」
「ごほっごほっ」
さあ、いつでも来ると良い。
今年こそ、その白い髭を剃って顔を拝んでみせる。
「今年もがんばろーっと」
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